DALI 設定ソフトまたはドキュメントを見ると、「Direct Arc Power」という用語が使われているのを目にすることがあるでしょう。
例えば、DALI アドレス(単一の照明器具)や DALI グループ(複数の照明器具)に対して、ダイレクトアーク電力コマンドを発行することで、特定の照明レベルに設定することができます。
簡単に言うと、「DALI グループ 3 のすべてのライトを Direct Arc Power 50% にする」といった制御が可能になります。
Direct Arc Powerとは?
コマンドで指定される「Power %」はワット(W)単位の電力を表します。これは、ランプに供給される電力量を指し、ランプから発せられる光量(ルーメン – lm)ではありません。
ランプへの電力 % と、ランプの光量 % は必ずしも一致しません。
例えば、
- ランプの電力を 100%(W)から 50%(W)に減らした場合
→ 光の出力は、人間の目には 約 80%以上の明るさ に見えます。
DALI 構成ソフトウェアでは、ランプの輝度目標を % で指定しますが、これは実際には 輝度 %(ルーメン)ではなく、アーク電力 %(ワット) を意味します。
例:DALI シーン設定のポイント
シーンを「50%」に設定すると、実際のランプの明るさは 約 85% になります。
DALI シーンで「50% の明るさ」を得るには、 Direct Arc Power 3% のコマンドを送信する 必要があります。
そう、電力(W)の 3% が、光出力(lm)の 50% に相当する ということなのです!
※0.1~100%で調光できるDALI直流電源装置の場合
DALI 調光だけじゃない!
RAPIX DALI リレーのユニークな機能
RAPIX DALI 1チャンネルリレーと 2チャンネルリレーには、「オンしきい値」 を設定できる独自の機能があります。
水銀灯代替え高天井照明のスマート制御
例えば、11個の水銀灯代替えLED照明 を制御する場合、DALI グループ内の 複数の RAPIX DALI リレーに異なる「オンしきい値」 を設定することで、マクロやスクリプトなしで、各 水銀灯代替えLED照明を自動的に異なるタイミングでオンにする ことが可能になります。
使用例:RAPIX DALI リレーを活用した突入電流の削減
使用する機器:
- RAPIX DALI 16A 1チャンネルリレー
- RAPIX DALI-2 2チャンネル 16A DINレールリレー
たとえば、次のように設定すると、電源投入時の突入電流を抑えることができます。
- 最初のリレー:0.1% の光出力でオン
- 2 番目のリレー:10% でオン
- 3 番目のリレー:20% でオン
- …
- 最後のリレー:100% に到達


これを 10秒間かけて 100% までランプの出力を調整 することで、ハイベイ照明が 1秒間隔で順番にオン になり、MCB(ミニチュアサーキットブレーカー)を流れる突入電流を抑える ことができます。
このように、RAPIX DALI リレーを活用すれば、DALI 照明制御システムをさらに柔軟で効率的に運用できます!
RAPIX ソフトの直感的な設計
RAPIX ソフトは、シーン設定から最小・最大レベルの調整まで、すべての設定を「光出力 %」で表示 も可能です。
人間にわかりやすい表現
従来の DALI システムでは、アーク電力(W) を基準とした調整が必要でした。しかし、RAPIX では「光出力 %(ルーメン)」で設定 できるため、照明のセットアップが直感的になり、シンプルになります。

DALI 照明制御の「人間的な」アプローチ
- 明るさの調整 を 「50% の光出力」 という直感的な数値で設定可能
- 最小・最大輝度の設定 も、専門知識なしで変更できます
- シーンの作成 も「この部屋の明るさを 70% に」など、実際の見え方に基づいた調整が可能
RAPIX成ソフトは、DALI 照明制御システムのセットアップにより人間的で使いやすいアプローチを提供します。