RAPIX トレーニング コース 概要
1. コースの目的と背景
従来のDALI(ダリ)規格の制限を克服するために開発された、照明制御システム「RAPIX(ラピックス)」の基礎を学ぶためのものです。
- DALIの制限事項と、RAPIXがそれをどのように解決するか
- RAPIXの「ゾーン」と「シーン」の仕組み
- 拡張機能「RAPIX Xi」およびハードウェア・ソフトウェアの構成
2. 従来のDALIが抱える課題
世界標準であるDALIは優れていますが、現場運用においていくつかの制約や課題がありました。
DALIラインの物理制限
- 配線長: 最大300m
- デバイス数: 1ライン最大64台
- グループ・シーン数: 各16個まで
- フェード時間: 選択肢が限定的
DALI-1 : 90秒まで
DALI-2 : 最長16分
運用・通信上の課題
- 複数のDALIラインを1つに統合する標準規格がない
- メッセージの応答確認(ACK)がないため、状態把握にはポーリング(定期確認)が必要
- 通信速度が遅い(毎秒20〜30コマンド)
- メーカー間の非互換性や独自拡張の強制
3. DALI制限を克服する「RAPIX ゾーン」(空間ごとの直感的な制御)
RAPIXは、DALIの制限を「ゾーン」という概念で完全に克服しています。
- 無制限の拡張: システム内に任意の数のゾーンを作成でき、1つのゾーンに何台のデバイスでも含めることができます。複数DALIラインを1つにリンクが可能です。
- DALIの知識が不要: ユーザーはDALIの複雑な仕組みを意識せず、仮想的な照明回路として自由に制御・監視できます。
- ポーリング不要の状態監視: DALI機器のモデルを利用するため、ポーリングなしで現在の調光レベルやエラー状態を即座に把握できます。
- 小規模例: 単体の照明器具、個室オフィス、会議室の照明、廊下など
- 大規模例: 大規模オープンオフィス、フロア全体、建物全体
- 大きなゾーンの中に小さなゾーン(例:プロジェクターエリアと全体照明)を内包可能。
- 会議室全体を一つのゾーンにして人感センサーで一括連動させるなどの高度な制御が容易に行えます。
- 複数のDALIライン、複数のゾーンを1つにリンクして建物全照明の一括制御が可能。
- 最大24時間のフェードタイムに対応し、シーンの状態(設定済みか否か)をインジケーターに表示可能。
- 完全な暗号化: ゾーンコントローラー間のイーサネット通信は、AES-128暗号化およびHMAC署名により保護されています。
- クラウド非依存: クラウド接続を必要とせず、外部から切り離された(エアギャップ)環境でも完全に動作します。
- 高いレジリエンス: ゾーンコントローラーが負荷を分散し、万が一の障害時にもローカルエリアの制御が失われないセルフヒーリング(自己修復)機能を備えています。
- RAPIX DALI-2 ゾーンコントローラー: 独立した2 or 4つのDALI接続を備え、イーサネット経由で数千のDALIデバイスをシームレスに1つに統合。BACnet、Modbus、MQTT(homeassistant)、DMX(Art-net)、API、Control4などの標準プロトコルに対応。
- 安全なオフライン運用: クラウド不要で安定した128ビットAES暗号化と認証機能を内蔵したセキュリティ。
- DALI-2 インプットデバイス: LEDスイッチ / 人感・照度センサー: DALIラインに直接接続可能。DT8 チューナブルホワイト(色温度)やRGBWカラーの制御。
- リレー: 最大16AのLEDや蛍光灯負荷に対応する高信頼性ラッチングリレー。ブラインド・シャッター用のモーター制御用リレーもラインナップ。
- DALI-2 位相調光器: 最大200W対応、設定によりレベル1~254へスケーリングし滑らかな調光を実現。
- あらゆる規模に対応: 小規模(単一ライン)から中規模、大規模、超大規模ビル(多数のゾーンコントローラーをネットワーク接続)までシームレスに拡張可能。
- RAPIX Addressing: 個々のDALI制御ギアの短縮アドレス割当てや標準設定を行う高速なツール。オフラインコミッショニング対応。
- RAPIX Integrator: ゾーン、シーン、Xiプロパティ、スケジュールなどを一元定義する上位ソフト。フロアプラン表示で効率的な設定が可能。
- 世界最高峰のDALIロガー: 全てのエントリをタイムスタンプ付きかつ完全にデコードして表示し、高度なフィルタリングで複雑なトラブルも簡単に解決。
- RAPIX Facilities: 施設管理・監視用ソフト。フロアマップ上で全デバイスの状態視覚化。故障検知(バッテリーやランプ)、AS 2293準拠の非常用照明のスケジュールテストとレポート出力(PDF/CSV/メール)に対応。
- RAPIX Touch: 照明の調光・調色・RGBW、カーテンやシーンの制御、スケジュール編集などを、豊富なテーマを使ってタッチスクリーン上にカスタマイズ・一元管理・可視化できます。
小規模・大規模なゾーン分け
階層構造による柔軟性
ゾーンの最小/最大レベルから監視できる状態
| 最小レベル | 最大レベル | ゾーンの状態(推論される情報) |
|---|---|---|
| 0 | 0 | すべてのデバイスが「オフ」 |
| >0 | >0 | すべてのデバイスが「オン」 |
| 0 | 任意 | 一部(またはすべて)のデバイスが「オフ」 |
| 任意 | >0 | 一部(またはすべて)のデバイスが「オン」 |
| 0 | >0 | オンのデバイスとオフのデバイスが混在 |
| 同レベル | (同一) | すべてのデバイスが同じ調光レベル |
4. 「RAPIX シーン」と高度な制御
複数のDALIデバイスに事前設定された調光レベルをワンタッチで適用する機能です
(例:会議室の「ミーティング」「プレゼン」「ビデオ上映」など)。
5. 拡張インテリジェンス「RAPIX Xi」
DALI標準規格では考慮されていない、ビル自動化(ビルオートメーション)に必要な機能を提供します。
RAPIX ゾーンコントローラと組み合わせて使用すると、複数のDALIラインをリンクして自動的に動作します。
他のシステムでは不可能な制御をRAPIXで実現可能にします。
オペレーティングプロパティ
システムの「状態(例:勤務時間、清掃モード、季節など)」を数値(0〜255)で表現し、タイマーや人感センサー・照度センサー・スイッチ・スケジュールの挙動を自動変更します。
フラグ
システム機能の有効・無効を切り替えるフラグ(設定/クリア)。特定の会議室のセンサーや壁スイッチの動作を一時的に有効化・無効化するのに使用します。
6. 堅牢なセキュリティ
モダンなデジタルビルインフラストラクチャに不可欠なセキュリティを標準装備しています。








