PWM調光の基本と動作原理
最終更新日: 2026年9月 | カテゴリ: 照明制御・電源回路技術・DALIシステム
PWM調光の基本(要点まとめ)
PWM調光(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)とは、電源のON(全灯通電)とOFF(遮断)を1秒間に数千回以上の超高速で繰り返し、その「ON時間の割合(DUTY比)」を変えることでLEDの明るさを制御する方式です。
PWM調光の公式と基本パラメータ
2 PWM リアルタイム波形
スライダーでDUTY比や周波数を変更すると、オシロスコープのPWMパルス波形とパラメータがリアルタイムに変化します。
PWM 制御パラメータ・操作パネル
負荷LED動作 & 人間の眼の知覚シミュレーション
4 PWM調光 vs アナログ調光(CCR)の技術比較
LEDの調光方式には、**PWM調光(パルス幅変調)**と**アナログ調光(CCR: Constant Current Reduction / 降圧調光)**の2つがあります。それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。
| 項目 | PWM 調光方式 (Pulse Width Modulation) | アナログ調光方式 (CCR) |
|---|---|---|
| 制御方法 | スイッチング素子(MOSFET)でON/OFF時間比を制御 | LEDに流す順電流(mA)の振幅自体を変化させる |
| 発光色・色温度の維持 | 色変化なし(常に定格電流で点灯) | 低電流時に発光波長(色温度)が変化する |
| 超低調光 (0.1%〜1%) の精度 | 非常に高いリニア性(直線性100%) | 電圧降下により低電流域で点灯が不安定化 |
| フリッカー(チラツキ) | 低周波数時にスマホ撮影等で黒帯ノイズが発生 | 完全直流のためフリッカーが原理的にゼロ |
| ノイズ・コイル鳴き | 可聴域(20Hz〜20kHz)でコイル・コンデンサから鳴きが発生 | 可聴音が全く発生しない |
5 スイッチング周波数・フリッカー・損失のトレードオフ
人間の眼でも点滅(チラツキ)が認識でき、眼精疲労や頭痛の原因になります。カメラ撮影時にも著しい黒帯ノイズ(フリッカー)が映り込みます。
スイッチング周期の振動がインダクタ(コイル)や積層セラミックコンデンサに伝わり、「キーン」という可聴音(コイル鳴き)が発生することがあります。
完全にチラツキが解消され、ハイスピードカメラ撮影にも耐えられますが、MOSFETのON/OFF遷移時の**スイッチング熱損失**が増大します。
実務設計時の注意点: MOSFETのスイッチング損失 (Switching Loss)
MOSFETが完全に遮断(OFF)から導通(ON)へ移行する数ナノ〜数十ナノ秒の間、**電圧と電流が同時に存在する時間**が生じます。スイッチング周波数を高くするほど、1秒間の移行回数が増加するため発熱(\(P_{sw} = f \times E_{loss}\))が増大します。適切なゲートドライブ回路の選定が不可欠です。
DALI PWM調光コンバータ : MP112DJ1
10V Reversed PWM Converter (AC100-240V 入力 / 2ch PWM 出力対応)
MP112DJ1 製品概要・特徴
MP112DJ1 は、DALI(IEC 62386-102, 209)信号を受けて10V PWM調光信号を出力する調光コンバータです。
MP112DJ1 仕様 (Specifications)
| 区分 | 項目 | 仕様内容 |
|---|---|---|
| 出力 (Output) | PWM出力信号 | 10V PWM (逆相: 100%High=Off / 海外向け切替可) |
| 最大ソース電流 | 合計最大 250mA × 2ch | |
| PWM周波数 設定範囲 | 240 Hz ~ 3100 Hz (出荷時設定: 1000 Hz) | |
| 入力 (Input) | 入力電源電圧 / 電流 | AC 100V ~ 240V (50/60Hz), 定格0.25A |
| DALI消費電流 | 2 mA | |
| 調光規格 (Dimming) | 準拠規格 | IEC 62386-102 / 209 準拠 |
| 対応制御モード | DT6 (1addr/2addr), DT8 (Tunable White/調色) | |
| 動作環境 (Environment) | 動作温度 / 湿度 | 0 ℃ ~ 40 ℃ / 20 % ~ 95 % RH (結露無きこと) |
| 保管温度 / 湿度 | 0 ℃ ~ 70 ℃ / 10 % ~ 95 % RH (結露無きこと) |
DIPスイッチ設定 (DIP Switches Function)
本体のDIPスイッチで、1アドレス or 2アドレス(DT6) /調色(DT8)モードを本体で設定。
端子構成と出力割当 (Output Allocation)
MP112DJ1の出力端子(P1+/P1-, P2+/P2-)接続仕様です。
DALI-2 動作モード設定 (DTR0 設定値一覧)
Set Operating Mode にてDTR0に数値を設定することで、出力波形(日本向 / 海外向) 周波数を設定できます。
SET DTR0 [モード値]を送信して、設定値をDTR0に保存Set Operating Mode (DTR0)を送信して、モード変更を実行QUERY OPERATING MODEで変更できたか確認
100% High = 消灯, 0% High = オン
- Mode 0 : 1000Hz (デフォルト)
- Mode 128 : 3100 Hz
- Mode 129 : 2600 Hz
- Mode 130 : 1200 Hz
- Mode 131 : 1000 Hz
- Mode 132 : 750 Hz
- Mode 133 : 650 Hz
- Mode 134 : 240 Hz
出力レベル = DALI 調光レベル
- Mode 135 : 3100 Hz
- Mode 136 : 2600 Hz
- Mode 137 : 1200 Hz
- Mode 138 : 1000 Hz
- Mode 139 : 750 Hz
- Mode 140 : 650 Hz
- Mode 141 : 240 Hz
G2/G3 PWM調光電源モード
- Mode 145